増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
内分泌学的検査
甲状腺・副甲状腺
PTH(副甲状腺ホルモン)
深瀬 正晃
1
1神戸大学医学部第3内科
pp.384-386
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909869
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検査の意義・目的
循環血中の副甲状腺ホルモン(parathyroidhormone:PTH)の測定はカルシウム(Ca)代謝異常疾患の評価に用いられる.血中PTHの測定は,とりわけ原発性副甲状腺機能亢進症(primary hyperparathyroidism:1゜HPT)を副甲状腺を介さない高Ca血症,例えば悪性腫瘍,サルコイドーシスや甲状腺中毒症などから鑑別するのに重要である.PTH分子の中間部を認識するM-PTH測定法では,1゜HPTの約95%で血中にPTH値が上昇しており,PTH分子の全配列を認識するintact PTH測定法は,それよりやや劣る.後者では恐らく血中に存在するPTH断片を検出しないこと,副甲状腺から分泌される脈動的intact PTHの分泌により血中PTHの広常上限値が決定しづらいためと考えられる.
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