増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
内分泌学的検査
副腎・腎
コルチゾール
二川原 健
1
,
大門 眞
1
1弘前大学大学院医学研究科内分泌代謝内科学
pp.366-368
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223312
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ヒト糖質コルチコイドの代表であるコルチゾールは,血糖上昇作用,抗炎症作用,免疫抑制作用を有する.また,若干の鉱質コルチコイド作用や水利尿作用をもち,生体のホメオスタシス維持に不可欠なホルモンである.
副腎皮質束状層で産生されるコルチゾールは,視床下部のコルチコトロピン放出ホルモン(CRH),さらにその下位ホルモンである下垂体の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)からの合成・分泌刺激を受けている.逆にコルチゾールはCRHおよびACTHにネガティブフィードバックを及ぼす.この調節系により,平時では早朝に高く深夜に低い血中コルチゾールの日内リズムが形成され,感染や外傷などの身体的ストレス下では需要に応じたコルチゾールの分泌増加が起こる.精神的ストレスによっても容易に上昇する.
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