特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
内分泌学的検査
甲状腺・副甲状腺
PTH(副甲状腺ホルモン),PTHrP(副甲状腺ホルモン関連蛋白)
堀 倫子
1
,
福本 誠二
1
1東京大学医学部附属病院腎臓内分泌内科
pp.341-343
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104786
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PTH
異常値の出るメカニズムと臨床的意義
副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone:PTH)は,84個のアミノ酸からなる分子量9.3kDaのペプチドホルモンである.PTHは主として腎臓と骨に発現するPTH/PTHrP受容体(PTH1受容体)に作用し,血中のカルシウム(Ca)濃度を上昇させ,リン(P)濃度を低下させる.PTHの分泌調節上,最も重要なものは血中イオン化カルシウム(Ca2+)濃度である.Ca2+濃度の上昇は,副甲状腺細胞表面に存在するCa感知受容体(calcium-sensing receptor:CASR)を介してPTH分泌を抑制する.したがって,副甲状腺自体の問題に加え,血中Ca濃度に異常がある場合にも,血中PTH濃度は二次的に変動する.
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