増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
血液生化学検査など
脂質・リポ蛋白
TG(トリグリセライド)
三井田 孝
1
1順天堂大学大学院臨床病態検査医学
pp.265-267
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223276
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
検査の概要
TGは,3価のアルコールであるグリセロールに脂肪酸が3つエステル結合したものの総称で,正式にはトリアシルグリセロール(TAG)と呼ばれる.血中には,わずかだが遊離グリセロールと,脂肪酸が1または2個しか結合していないモノアシルグリセロール(MAG),ジアシルグリセロール(DAG)がある.血液中のTGは,コレステロール,リン脂質,アポ蛋白と結合して二層性のリポ蛋白を形成する.TGは,疎水性が強いためリポ蛋白の「芯」に存在する.TGは,粒子径の大きなリポ蛋白[カイロミクロンと超低比重リポ蛋白(VLDL)]に多く分布する.
わが国のTG測定法では,まず遊離グリセロールを消去し,残ったMAG,DAG,TAGをリポ蛋白リパーゼ(LPL)で分解し,産生されたグリセロールを測定する.これを,トリオレイン(グリセロールにオレイン酸が3つエステル結合したもの)に換算し,TG値として報告している.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.