技術講座 生化学
トリグリセライドの定量法
武井 仁
1
1虎の門病院臨床化学検査部
pp.632-638
発行日 1980年8月1日
Published Date 1980/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202107
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血清中の脂質は主にリン脂質,トリグリセライド,コレステロール及びコレステロールエステル,遊離脂肪酸であり,これらの脂質のうちコレステロール,リン脂質などについては古くから測定が行われている.近年,トリグリセライドと動脈硬化症との関連が強調され測定の意義づけがなされてきた.
トリグリセライドは図1に示すとおり,グリセロールと脂肪酸3分子とが結合したエステルである.このエステルであるトリグリセライドは加水分解により結合が切れ,脂肪酸2分子結合のジグリセライド,脂肪酸1分子結合のモノグリセライドとなり,ともに血清中にも存在するが,ごくわずか(2%程度)である.
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