特集 ウイルス肝炎の薬物治療—変わりゆく治療戦略
ここまで変わったウイルス肝炎の治療
【C型慢性肝炎】
C型慢性肝炎の治療
鈴木 文孝
1
1虎の門病院肝臓センター
pp.291-295
発行日 2015年2月10日
Published Date 2015/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223108
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ポイント
●C型慢性肝炎・肝硬変は肝機能値の異常が長期化したり,年齢が高齢化するとともに肝細胞癌の発生頻度が上昇することから,ウイルス排除が可能な症例はできる限り早期に治療を開始する必要がある.
●インターフェロン(IFN)の初回投与例において,genotype 1型の高ウイルス量症例では,Peg-IFN,リバビリン(RBV),シメプレビルの3剤併用療法24週間投与が標準治療である.
●初回治療のgenotype 2型,高ウイルス量症例は,Peg-IFNα-2bまたはIFNβとRBVの併用療法24週間投与が標準治療である.
●genotype 1型でIFN療法再燃例への再投与は,シメプレビル,Peg-IFN,RBVの3剤併用療法を基本とする.
●genotype 1型でIFN療法無効例への再投与は,IFNフリーのダクラタスビルとアスナプレビル併用療法,またはシメプレビル3剤併用療法が選択される.
●IFNを使用しないダクラタスビルとアスナプレビル併用療法は,IFN不適格・不耐容例または前治療IFNの無効例が適応である.慢性肝炎と代償性肝硬変症にも適応がある.
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