増刊号 診断基準とその使い方
X.神経・筋
28.Joseph病
酒井 徹雄
1
1国立療養所筑後病院・神経内科
pp.2260-2261
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222086
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■疾患概念
Joseph病は当初,アメリカ在住のポルトガル移民子孫,ポルトガルAzores諸島およびポルトガル本土から報告された.これらの家系の中で,Antone Josephを先祖とするアメリカで最も大きな家系(Joseph家)に因んでJoseph病と命名された.1982年まではポルトガル人あるいはその子孫にのみ認められる遺伝性(常染色体優性遺伝)脊髄小脳変性症と考えられてきた.しかしながら1983年,筆者は,わが国にもJoseph病の家系が存在することを剖検例とともに初めて報告し1),以後,わが国での報告が相次いでいる.さらにカナダ・フランス・インド・スペインからも報告され,現在ではポルトガル人子孫との関係が不明瞭な場合でもJoseph病と診断されるようになった.
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