増刊号 診断基準とその使い方
V.内分泌
38.腎性尿崩症
大関 武彦
1
1鳥取大学医学部・小児科
pp.1940-1941
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221962
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■疾患慨念と疫学
腎性尿崩症nephrogenic diabetes insipidusは腎集合管に対するarginine vasopressinの作用の欠如により,尿濃縮障害を呈する疾患である.腎性尿崩症なる名称は,先天性腎性尿崩症に対し初めて命名されたことより,しばしばこれに限って使用されることがある.この他にいくつかの疾患において,vasopressin不応性の尿濃縮障害が発症することがあり,後天性腎性尿崩症と分類される.
先天性腎性尿崩症はこれらの中でも重要な病型であり,多くの腎性尿崩症の特徴を含んでおり,本項もこれを中心に述べることとする.
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