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特集 腎疾患の診断と治療 最前線
IV.各論3:尿細管・間質性疾患(診断と治療)
11.腎性尿崩症
Nephrogenic diabetes insipidus
原 悠
1
,
安藤 史顕
1
,
内田 信一
1
Hara Yu
1
,
Ando Fumiaki
1
,
Uchida Shinichi
1
1東京科学大学腎臓内科
キーワード:
腎性尿崩症
,
バソプレシン
,
AQP2
Keyword:
腎性尿崩症
,
バソプレシン
,
AQP2
pp.336-340
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001625
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1 はじめに
腎性尿崩症は,抗利尿ホルモンに対する腎臓の尿濃縮応答が低下する疾患である。先天性と後天性に大別され,先天性腎性尿崩症は主にX連鎖性潜性遺伝形式をとる非常に稀な疾患である。乳幼児期に発症し,根治的な治療法が存在しない。高度な多尿はquality of lifeを大きく損ねるだけでなく,多尿による尿路系の異常や,繰り返す高度な電解質異常による神経発達症などの深刻な合併症を招くため,早期の診断と生活指導・治療が不可欠である。一方の後天性腎性尿崩症は成人期に多くみられ,慢性的なリチウム製剤の使用や高カルシウム血症が原因となることが多いため,比較的頻度が高く日常診療でもしばしば遭遇する。原因となる薬剤の中止や電解質の補正が治療の中心であり,病態の改善が期待できる。
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