今月の主題 消化性潰瘍とその周辺
消化性潰瘍の診断—癌との鑑別
内視鏡診断
飯石 浩康
1
,
竜田 正晴
1
,
奥田 茂
1
1大阪府立成人病センター・消化器内科
pp.494-497
発行日 1988年3月10日
Published Date 1988/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221593
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胃の潰瘍性病変には良性の消化性潰瘍のほかに,癌や肉腫(平滑筋肉腫,悪性リンパ腫など)に伴う潰瘍があり,その鑑別診断は日常臨床の場においてきわめて重要である.以前には,治りやすい潰瘍は良性であり,治りにくい潰瘍が癌であると考えられていたが,早期胃癌のなかにも潰瘍が短期間に縮小治癒してしまう例が少なからず存在し(悪性サイクル1)),潰瘍の治りやすさが必ずしも良・悪性の鑑別には役立たないことが明らかとなった.内視鏡による潰瘍の鑑別には,病変の正確な読み,的確な部位からの生検,経過を追っての再検などが必要となる.今回は潰瘍性病変を伴う陥凹型早期胃癌との鑑別診断を中心に述べる.
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