増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅱ 神経・筋疾患治療薬
てんかんとミオクローヌス
44.てんかん重延状態の治療薬
野沢 胤美
1
1虎の門病院・神経内科
pp.1854-1855
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221164
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てんかん重延状態(status epilepticus)は,重篤な脳の損傷を生じ,時に死に至る.発作から治療開始までの時間がその転帰を左右することより,早期治療が必要とされる.その死亡率は10〜12%であり,実験てんかんで発作の持続時間に相関して,海馬,扁桃,視床,小脳などに神経細胞の虚血性変化が増強することが証明されている.てんかん重延状態の定義は,1つの発作が長時間持続するか,発作と発作の間に回復がほとんどみられず,発作が頻回に反復するものとされ,少なくとも30分以上持続するとされている,てんかん重延状態には,全般発作重延(強直,間代発作,ミオクロニー発作,欠神発作)と,部分発作重延(単純部分発作,複雑部分発作)がみられるが,日常診療で度々経験し,緊急を要するのは強直-間代発作重延である.
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