Japanese
English
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腦の解剖學(第4講)—延髓と橋
Anatomy of the Brain. IV:Medulla oblongata et Pons
小川 鼎三
1
Ogawa, Teizo
1
1東京大學醫聲部解剖學
1Anatomy, Medical Dep't., Tokyo Univ.
pp.230-235
発行日 1950年7月1日
Published Date 1950/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200127
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延髓は脊髓の上端につゞいて,かなり膨らんでいるので球Bulbusという異名をもつている。「延髓」という言葉はちようどドイツ語のverlängertes Markに一致しているが,これは脊髓の延長部という意味であろう。延髓は腦の最下部で,脊髓に移行する直上のところである。その内部構造はかなり脊髓のものに似ている。
橋は延髓のすぐ上にあつて,著しく腹方に突出している。ヴアロリ(Costanzo Varolio, 1543—1575)の橋Pons Varoliiとも稱せられる。こゝは左右の小腦半球を連ねている橋のごとくみえるのでこの名前がある。英佛ではよくannular protuberance, protubérance annulaireとよばれるのは,こゝが環状をなして突出しているからである。橋の表面には多數の横走するすじが見えるが,これは橋から小腦半球にゆくたくさんの纎維の集りを示している。
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