今月の主題 呼吸器と免疫・アレルギー
アレルギー性肺疾患
Ⅳ型アレルギーを基盤とする疾患
サルコイドーシス
長井 苑子
1
1京都大学結核胸部疾患研究所・内科第2
pp.1184-1185
発行日 1986年7月10日
Published Date 1986/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220445
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疾患概念,臨床所見
サルコイドーシスは,病理組織学的には乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫形成を主徴とする原因不明の全身性疾患である.ツベルクリン反応の陰性化,in vitroでの末梢血リンパ球のmitogenに対する低反応性など,種々の細胞性免疫反応の低下がみられる.一方,血清γグロブリン増加などの液性免疫反応レベルでは亢進現象が起こっているなど,多彩な免疫学的異常所見がみられるが,臨床的には易感染性,悪性腫瘍の発現率が高いなどの免疫不全の徴候を示すことはない.
男女差はなく,20歳代とくに前半が好発年齢で,小児,老人には少ない.罹患部位は全身におよぶが,肺(縦隔,肺門リンパ節,肺野;95%以上),眼(30〜40%),皮膚(5〜10%)が病変頻度の高い部位である.剖検レベルでは,肝病変,心病変もよく認められる.
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