増刊号 Common Disease 200の治療戦略
呼吸器疾患
過敏性肺臓炎
安藤 正幸
1
1熊本大学医学部第1内科
pp.306-307
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904093
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疾患概念と病態
過敏性肺臓炎は「有機あるいは無機塵埃を反復吸入しているうちにこれに感作されて,III型およびIV型アレルギー反応が細気管支から肺胞にかけて起こる結果発症するびまん性肉芽腫性間質性肺炎」の総称である.
本症は,原因抗原の種類や発症環境の違いによって,夏型過敏性肺臓炎,農夫肺,鳥飼病,換気装置肺炎(空調病,加湿器肺),イソシアネートによる過敏性肺臓炎などに分けられる.また,これらの疾患は吸入する抗原の量と時間的推移によって,急性型,亜急性型,慢性型に分けられる.いずれの疾患あるいは病型にしても,その病態にはIII型アレルギー(免疫複合体)およびIV型アレルギー(細胞性免疫)が関与している.したがって,本症の治療の3原則は,①患者を抗原から隔離し,②発症環境から抗原を除去し,③薬物療法としてステロイドの投与を行う,ことにある.
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