今月の主題 アレルギーのトピックス
アレルギー性疾患の問題点
過敏性肺臓炎
近藤 有好
1
1新潟大第2内科
pp.1492-1495
発行日 1975年9月10日
Published Date 1975/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206213
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欧米では呼吸器疾患の一分野を占め,学問的にも確立されているにもかかわらず,本邦ではほとんど報告をみない疾患に過敏性肺臓炎がある.Hypersensetivity pneumonitisあるいはextrinsic allergic alveolitisと呼ばれ,Farmer's lungによって代表される疾患がそれである.本症は真菌胞子などの有機塵埃,あるいは動物性異種蛋白抗原の反復吸入によって経気道的に感作され,びまん性(肉芽腫性)間質性肺炎を主とする病理学的変化を起こす一群のアレルギー性疾患で,現在20数種類の疾患が知られている.
本症で重要なことは,本症が気管支喘息と異なった.mechanismによって起こるアレルギー性疾患であるということと同時に,現在でも新しい抗原が発見されつつあり,従来の職業病的疾患であるという概念のほかに,一般家庭においても本症が発生する9〜11)など,予想以上に広く蔓延している可能性が示唆される点である.
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