今月の主題 水電解質と酸塩基平衡
臨床の話題
Mineralocorticoid過剰症候群
竹田 亮祐
1
,
武田 仁勇
1
1金沢大学医学部・第2内科
pp.872-873
発行日 1986年5月10日
Published Date 1986/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220370
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ミネラロコルチコイド(mineralocorticoid)は,電解質代謝に大きな影響を及ぼす副腎皮質ホルモンで,特にアルドステロンは最も強力な作用を有する(図1).その他,作用はアルドステロンに比し弱いが,デオキシコルチコステロン(deoxycorticosterone,DOC)および18-ヒドロキシデオキシコルチコステロン(18-hydroxy-deoxycorticosterone,18-OH-DOC)がミネラロコルチコイドに属するとされている.このうち18-ヒドロキシコルチコステロン(18-hydroxycorticosterone,18-OHB)は,電解質作用は極めて弱く1)(図1),その意義は乏しい.
ミネラロコルチコイドは,腎遠位尿細管に作用し,Na+-K+およびNa+-H+の交換を促進し,さらにNa交換を伴わないK排泄機構も刺激する.近位尿細管では,Naの再吸収を促進しCl及び水の再吸収を二次的に促す.その結果,細胞外液中のNaは増加し,Kは減少し,HCO3は増加し,Naは細胞内のKと交換する.また,Na再吸収とK排泄促進効果は,腎以外では,汗腺,唾液腺,小腸粘膜において行われている.
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