今月の主題 消化器薬の使い方
肝疾患
肝性昏睡
藤原 研司
1
,
富谷 智明
1
1東京大学医学部・第1内科
pp.614-615
発行日 1986年4月10日
Published Date 1986/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220307
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肝性昏睡は,高度な肝不全に伴う代謝異常によって生じる精神神経症状である.臨床的には軽度の性格変化から昏睡にいたるまで幅広い症状を呈するが,すべて可逆的である.病歴,理学所見,検査所見によって診断される.理学所見はかなり特徴的ではあるが,絶対的なものはなく,また,検査所見も,たとえば血中アンモニア濃度は必ずしも高値を示すわけではない.脳波も三相波など,特徴的ではあっても絶対的ではない.したがって,診断は総合的に判断しなくてはならない(表1).
治療は,増悪因子の除去と積極的な治療とに大別される(表2).
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