今月の主題 新しい臓器相関のとらえ方
臓器相関からみた症候群
肝性昏睡
山崎 晴一朗
1
1久留米大内科中検
pp.45-47
発行日 1974年1月10日
Published Date 1974/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205263
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はじめに
肝性昏睡は重症肝疾患の末期にたどりつく終着駅であるが,決して1つの定まった疾患でなく,種々の異なった原因によって起こるので,きわめて複雑多数な病像を呈するものである.
それぞれに各因子の占める割合によって異なった像の肝性昏睡を起こすものと思われるが,肝と脳との間に密接な関連性のあることは事実である.肝性昏睡は病因的に激症肝炎や急性中毒による広汎な急性肝壊死のときにみられる肝不全因子の強い型と,肝硬変症の末期に肝実質障害と門脈大循環系短絡形式によってみられる肝不全因子とNH4中毒因子も含まれる型とNH4中毒因子の強い慢性門脈大循環性脳症型とに分けることができる(図1).NH4という単一のもののみで解決できる問題でないと考え,多元的因子として物質代謝面よりNH3による腸管因子のほかに肝源性因子の究明を試み肝脳相関についてのべる.
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