今月の主題 黄疸
検査と疾患—その動きと考え方・102
肝性昏睡
植松 幹雄
1
,
井上 昇
1
Mikio UEMATSU
1
,
Noboru INOUE
1
1国立王子病院内科
pp.664-673
発行日 1985年6月15日
Published Date 1985/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912591
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はじめに
肝性昏睡とは肝不全時に生じる代謝障害により,あるいは門脈大循環副血行路形成により引き起こされる特有な精神神経症状であり,その程度は重症度判定の指標とされている.昏睡初期に適切な治療が施されないと,脳の代謝異常は不可逆的なものとなり予後不良となる.また心,腎,肺などの肝以外の臓器にも障害が出現するので全身的な管理が必要である.
ここでは,肝性昏睡時の検査およびそのモニタリングについて述べるとともに,急性,慢性肝不全の症例を紹介し,その治療と検査所見の推移についてもふれる.
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