臨時増刊特集 エコー法の現況
Ⅱ 診断と治療への応用
A 心エコー法
11.先天性心疾患—中隔欠損
吉田 清
1
,
吉川 純一
1
1神戸市立中央市民病院・循環器センター内科
pp.2168-2171
発行日 1985年12月1日
Published Date 1985/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220047
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
検査の手順とポイント
超音波検査法による中隔欠損の診断のポイントは,1)欠損口の描出,2)短絡血流の検出にある.欠損口の描出には断層心エコー図法が用いられ,短絡血流の検出にはドプラー法あるいはコントラストエコー法が用いられる.
①心房中隔欠損 走査断面としては,a)parasternal four-chamber view(ときにapica1),b)subcostal four-chamber view,c)大動脈短軸断面が用いられる.このうち,とくにparasternal four-chamber viewが最もよく使用される.この理由は,この断面で心房中隔はもとより,両心房,両心室が描出され,心房中隔欠損に伴う心臓の形態学的変化をとらえうるからである.さらに,胸骨右縁からの右房-心房中隔-左房断面(ASA view)も症例によっては有用である.また,左室の形態の変化を観察するために左室短軸断面が用いられる.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.