Japanese
English
原著
先天性心疾患における心音図の検討—その1:心房中隔欠損、心室中隔欠損、動脈管開存について
Phonocardiographic Studies in Congenital Heart Disease
飯島 昌夫
1
,
大島 正浩
1
,
岡本 義明
1
,
奥山 和夫
1
,
車田 孝夫
1
,
藪田 敬次郎
1
,
大国 真彦
1
M. Iijima
1
,
M. Oshima
1
,
Y. Okamoto
1
,
K. Okuyama
1
,
T. Kurumada
1
,
K. Yabuta
1
,
M. Okuni
1
1東京大学医学部小児科学教室
1Dept. of Pediatrics, University of Tokyo.
pp.647-653
発行日 1962年9月15日
Published Date 1962/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201135
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I.緒言
先天性心疾患の多くのものが手術可能となつて以来,本症の臨床的診断は極めて重要となつてきた。いうまでもなく,本症診断には臨床症状,理学的所見の他に,胸部レ線像,心電図所見等は欠かせないものであり,時に心臓カテーテル検査又は心臓血管造影法等の精密検査が心要となることもある。
しかしながら,この中でも心の聴診所見は現在でも絶対不可欠のものであること云うまでもないことである。やゝもすれば心音の聴取が単に心雑音の有無を検する程度で終ることがあるが,実際には注意してみれば既往症,臨床症状と心雑音だけで,心疾患の種類はかなり見当のつくものである。更にレ線像及び心電図所見とあわせ用いれば,大多数の本疾患の病型の推定はつくと云つて過言ではない1)。
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