今月の主題 心エコー法の現況
臨床診断
先天性心疾患―中隔欠損
日比 範夫
1
,
神戸 忠
2
Norio HIBI
1
,
Tadashi KAMBE
2
1名古屋大学医学部・第3内科
2名古屋大学医学部・内科
pp.1374-1377
発行日 1981年8月10日
Published Date 1981/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217285
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UCGによる検討
中隔欠損を有する先天性心疾患におけるMモード法UCG(以下UCG)は,血行動態などを示す間接的所見にとどまることが多い.心房中隔欠損症〔ASD;一次口欠損症(ECD)を含む〕では右室容量負荷所見(心室中隔奇異性運動,右室拡大,三尖弁の易記録性など)が認められ比較的特徴ある所見となるが,欠損そのものの判定は必ずしも容易ではない,また心室中隔欠損症(VSD)では左室容量負荷所見(左室・左房拡大,心室中隔・左室後壁運動の亢進など)を呈する他の疾患との鑑別が困難で,欠損を直接検出することはさらにむずかしい.一方,Fallot四徴症,総動脈幹遺残症(truncus),大血管転位症(TGA)などの複合心奇形症例ではVSDの合併がほぼ必須で,しかも大欠損であるため,UCGでも欠損の有無は判定可能である.
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