今月の臨床 胎児心臓を診る―この超音波所見を見逃すな!
四腔断面異常から診断できる先天性心疾患
心房中隔欠損症・心室中隔欠損症・房室中隔欠損症
新谷 光央
1
1静岡県立こども病院周産期母子医療センター産科
pp.1074-1091
発行日 2023年11月10日
Published Date 2023/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409211088
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●胎児心臓におけるmidline defectには,心房中隔欠損症(ASD),心室中隔欠損症(VSD),房室中隔欠損症(AVSD)の3疾患が挙げられるが,AVSD以外は胎児診断率が決して高いわけではなく,一次孔欠損以外のASDや漏斗部中隔のVSDの胎児診断は非常に困難である.
●左上大静脈からの血流によって拡張した冠静脈洞とASDの所見は,互いに誤認される可能性があるため,カラードプラにて血流方向を確認して判別するのがよい.
●VSDは必ずしも四腔断面で確認できるわけではなく,病型によって流出路を含む断面での評価が必要である.
●AVSDの胎児超音波検査の所見として,①scooping, ②三尖弁のoffsetがなく,収縮期に一直線状に並ぶ左右房室弁,③butterfly sign,④atrial-to-ventricular length ratio>0.6などが挙げられる.
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