今月の主題 腎疾患—最近の展開とトピックス
尿細管疾患:病態生理に関する進歩
遠位尿細管性アシドーシス
佐々木 成
1
1東京医科歯科大学・第2内科
pp.1766-1767
発行日 1985年10月10日
Published Date 1985/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219962
- 有料閲覧
- 文献概要
腎尿細管での尿酸性化能
近年,尿細管のネフロンセグメントでの尿酸性化(H分泌)の動態が明らかにされつつある1).図1にその概略をまとめたが,H分泌量は近位尿細管で最大であり,遠位尿細管のセグメントにおいてもある程度認められている.近位尿細管では分泌されたHはHCO3再吸収に使われ,遠位尿細管では分泌されたHは滴定酸,NH4となり尿中に排泄される.前者の障害が近位側(proximal)RTA(renal tubular acidosis,尿細管性アシドーシス)であり,後者の障害がdistal RTA(遠位側RTA)である.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.