今月の主題 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
病態
呼吸機能障害
本間 行彦
1
,
小笠原 英紀
1
Yukihiko Homma
1
,
Hideki Ogasawara
1
1北海道大学医学部・第1内科
pp.2616-2618
発行日 1984年12月10日
Published Date 1984/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219521
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臨床的に必ずしも鑑別が容易でない肺気腫,慢性気管支炎,気管支喘息の,呼吸機能上閉塞性障害を示す一連の疾患群を慢性閉塞性肺疾患(COPD)として便宜的に一括することをBurrowsら(1964)が提唱して以来,この名称が広く用いられるようになった.しかし,その後症例を1例ずつ詳細に検討していく過程で,COPDの中に,上記3疾患とは異なる一連の症例の存在することを本間ら(1975)が指摘した.その特徴は胸部写真上びまん性粒状陰影を有し,強い閉塞性障害と過膨張所見があるが,肺の構造は保たれており,頑固な気道感染症状と高率の慢性副鼻腔炎の合併がみられるというもので,彼らによりびまん性汎細気管支炎(DPB)と命名された.
ここでは,主にDPBの呼吸機能の特徴を肺気腫等との比較において項目別に概説することにより,COPD全般の特徴をある程度明らかにしたいと考える.また,厚生省研究班によって調査された成績を付言する.
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