臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅹ.内分泌機能検査
150.ADH(antidiuretic hormone)
中井 利昭
1
Toshiaki Nakai
1
1獨協医科大学・臨床病理
pp.2460-2461
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219471
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ADHは別名バソプレシンとも呼ばれ,主として抗利尿作用に働いているホルモンである.ADHの分泌は以下のいくつかの因子によって調節されている.(1)浸透圧調節;血漿浸透圧が増加すると視床下部の浸透圧受容体が感知し,ADH分泌を促進する,(2)血液容積調節;血液容積量の減少が起こると左房と肺静脈の伸展受容体に働き,視床下部へのニューロンの抑制伝達刺激が減少し,ADHの分泌が促される,(3)圧受容体調節;血圧低下により頸動脈や大動脈の圧受容体が刺激され,ADH分泌を起こす.そのほか体位,運動などさまざまなストレスによっても影響を受ける.以上ADHの働きにより体液の浸透圧と体液量が一定に保たれている.
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