臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集
XII.細菌検査
150.血液培養
勝 正孝
1,2
1国立霞ケ浦病院
2慶大内科
pp.1984-1985
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216254
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異常値を示す疾患
血液中には健常者では病原微生物は検出されない.慢性,亜急性,急性の敗血症の疑いある患者の血液から菌を確実に検出すれば,その診断価値はきわめて大きい.菌血症は敗血巣の確認(困難な場合もある)とともに敗血症の診断の根拠となる.また肺炎,髄膜炎,重症な腎盂腎炎,アンギーナなどの急性期や抜歯,尿道ブジー,カテーテル挿入,子宮内膜掻破,心臓人工弁手術などのあと,悪寒,発熱,頭痛,腰痛を呈し,流血中より菌を検出する場合がある.多くは一過性の菌血症で終わる.この一過性菌血症も生体側の防衛力,侵入菌の毒力によって,病巣が敗血巣となり,あるいは新しい敗血巣が生じ,感染性心内膜炎や急性敗血症にまで発展移行する場合もある.
最近の敗血症は図に示すような基礎疾患を有する患者に各種の治療または処置を行った場合に,それらが誘因となり敗血症が誘発される(induced septicemia).いわゆる宿主の弱味につけこんだ敗血症であり,広い意味のopportunistic infectionといえる.
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