臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅷ.血液化学検査
108.鉄結合能
黒川 一郎
1
1札幌医科大学付属病院・検査診断部
pp.2360-2361
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219429
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生体内の鉄代謝の1メルクマールとして鉄結合能を測定する.血漿鉄はβ1グロブリン分画のトランスフェリン(分子量90,000のムコ蛋白.鉄結合蛋白質,ジデロフィリンなどと呼ばれる)とキレート結合して血中を担送される.正常血漿トランスフェリンは平均260mg/dlといわれるが,その1mgは1.3μgのFeと結合する.それゆえ,正常人血清1dlは260×1.3μg=338μgのFeと結合する力をもつ.これを総鉄結合能(TIBC)と呼び,この中で実際に血清鉄と結合している割合を飽和度,フリーの部分を不飽和結合能(UIBC)と呼ぶ.鉄結合能はTIBC,UIBCを一応区別し,かつ血清鉄値と関連づえて考えるべきである.
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