臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅷ.血液化学検査
109.フェリチン
新津 洋司郎
1
,
渡辺 直樹
1
,
漆崎 一朗
1
Yoshiro Niitsu
1
,
Naoki Watanabe
1
,
Ichiro Urushizaki
1
1札幌医科大学・第4内科
pp.2362-2364
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219430
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異常値を示す疾患
血清フェリチン値の異常を示す疾患を図に示した.
異常低値を示す場合 血清フェリチンの低値はすなわち組織フェリチンの低値,言い換えると鉄欠乏症を意味する.したがって血清フェリチンが異常低値を示す貧血は,すべて鉄欠乏性貧血と診断してさしつかえない.また潜在性鉄欠乏状態は,思春期の女性,妊娠・授乳時などで不定愁訴の原因となりながらも,これまでその正確な把握が困難であったが,血清フェリチンはHb値,血清鉄値が低下する以前に減少する2)ので,潜在性鉄欠乏状態をとらえることができる.
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