特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
血液生化学検査
血液ガス・電解質・微量金属
フェリチン,血清鉄と鉄結合能
辻岡 貴之
1
,
通山 薫
1
1川崎医科大学検査診断学
pp.281-284
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104767
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フェリチン
異常値の出るメカニズムと臨床的意義
体内の鉄貯蔵量を調べるために最も信頼性の高い検査は,肝生検で得られた組織中の鉄濃度測定と考えられている.しかし,この検査は侵襲を伴い,合併症のリスクを考慮すると安易に行うべき検査ではない.また,最近MRIを用いた肝鉄濃度測定法が注目されているが,まだ一般的ではない.
一方,日常臨床では血清フェリチン値が簡便に測定できる鉄貯蔵マーカーとしてよく利用されている.フェリチンは鉄を結合して貯蔵するための蛋白で,肝・脾・骨髄・胎盤などの組織に広く分布しており,その分布量は概ね血清中濃度と相関する.
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