当直医のための救急手技・眼科系・1
眼科救急患者の実態
土坂 寿行
1
,
清水 千尋
1
Hisayuki Tsuchizaka
1
,
Chihiro Shimizu
1
1旭中央病院・眼科
pp.1334-1335
発行日 1984年7月10日
Published Date 1984/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219151
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- 文献概要
当直医にとって専門外の患者が来院してきたさい,最も困惑することは,ある程度の診断が予想されても他の異常所見の見落とし,あるいは重症度の判別がつかないがために,救急でさらに専門医に委託すべき患者の選別に確信がもてないことであろう.しかし,実際には専門医に委託する患者の選別は,その当直医がおかれた環境によりさまざまである.電話一本で眼科医の往診または依頼が可能な病院では,重症患者は救急受診当日から専門医の診断のもとに適切な治療を開始すべきであるが,近隣に眼科を有さない当直医は,後日専門医の診療が受けられるまで,可能な範囲でできる限りの処置を行わなければならない.本稿で述べる処置内容は原則として近隣に依頼すべき眼科医がなく,翌日,眼科専門医を受診することを前提として記した.したがって,当日は当直医のみで診療にあたることになるが,現実に眼科領域の症状を訴えて救急外来を受診する患者の多くは,当直医の判断で処置が可能である.そこで,昭和57年4月から58年3月まで,1年間に当院の救急外来を受診し,始めに当直医が診療にあたった患者414名の内容を記すことにする.
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