EDITORIAL
患者の実態と医学および医療
野村 実
1,2
1白十字会村山サナトリウム
2東京都医療社会事業協会
pp.665-667
発行日 1965年5月10日
Published Date 1965/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200810
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医学と医療の違い
患者といえば,公衆衛生学上の潜在患者,つまり健康者らしいものまで頭にうかんでくるが,いまはそれをべつとして,診療をもとめてくる患者だけを考えても,これは大きな問題であつた。それこそ広義の社会医学,心理学,医療社会事業の範疇まで言及しなければなるまい。そしてそこに,医学と医療の相違が生じてくることになる。医学雑誌がこのような問題に視野をひろげてきたことは,たいへんな変化であり,進歩だと思う。やがて医学雑誌か医療雑誌かを区別するときが,やつてくる。こなければうそである。人はMedicinaという誌名をどのように理解しているのであろうか。
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