Japanese
English
研究と報告
精神科救急における老人患者の実態
Elderly Patients in the Psychiatric Emergency Services
加藤 寛
1
,
飛鳥井 望
2
,
森田 剛
1
,
米澤 洋介
1
,
三宅 由子
2
,
中村 陸郎
1
Hiroshi KATO
1
,
Nozomu ASUKAI
2
,
MowTA Tsuyoshi
1
,
Yousuke YONEZAWA
1
,
Yuko MIYAKE
2
,
Rikurou NAKAMURA
1
1東京都立墨東病院神経科
2東京都精神医学総合研究所
1Department of Psychiatry, Tokyo Metropolitan Bokuto Hospital
2Tokyo Institute of Psychiatry
キーワード:
Psychiatric emergency services
,
Geriatric psychiatry
,
Emergency hospital utilization
,
Mental health services
Keyword:
Psychiatric emergency services
,
Geriatric psychiatry
,
Emergency hospital utilization
,
Mental health services
pp.1303-1310
発行日 1993年12月15日
Published Date 1993/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904982
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【抄録】 都立墨東病院における東京都夜間休日精神科救急を受診した65歳以上の老人患者は救急総件数の2.5%であった。その中の初診者132名について,性比をmatchingした同数の精神科通常外来初診老人患者を対照群として比較検討した。救急群の診断では分裂病圏・妄想性障害とアルコールによる障害が多く,器質性精神障害,神経症性障害が少なかった。また痴呆症状のみで事例化した者はわずかで,多くは他の精神症状を合併していた。事例化に際しては老人といえども激しい精神症状や問題行動を伴った例が多く,警察官関与率,救急入院率の高さなど「堅い救急」の特徴を示していた。今回の調査では生活状況や社会的孤立化傾向と救急事例化の間に明らかな相関性は認められなかった。救急事例化に際しては,通常のサービスを経ることなく受診となった者が過半数を占め,精神科救急が事例化の最初の窓口として,その後の適切なケアにつなげる役割を担っていることがわかった。
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