当直医のための救急手技・眼科系・3
眼底疾患,緑内障その他の診断,処置
土坂 寿行
1
,
清水 千尋
1
Hisayuki Tsuchizaka
1
,
Chihiro Shimizu
1
1旭中央病院眼科
pp.1676-1677
発行日 1984年9月10日
Published Date 1984/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219231
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前号には細隙燈顕微鏡のみで診断が可能な疾患について記したが,今回は細隙燈顕微鏡検査に加えて,眼底検査,および眼圧測定などを必要とする疾患について記す.図1に示すように,細隙燈顕微鏡検査と合わせて眼底検査を行うと,隅角,毛様体など一部の組織を除いて,眼内はすべて直視下に所見をとることができる.当院の1年間の救急受診患者414名のうち,上記2種の機械を用いて主訴の原因となる所見がとれなかった症例は,眼窩内出血,視神経管骨折など11名,2.7%であり,この数値はこれらの検査の重要性を物語るものである.今回述べる疾患は眼底疾患,球後の疾患,緑内障,強角膜裂傷であるが,疾患は多岐にわたるため放置すると早急に失明につながる重症疾患を主に述べてゆきたい.
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