天地人
聖たまこがねの記
盲へび…の猫
pp.969
発行日 1984年5月10日
Published Date 1984/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219053
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専門領域の臨床研究に手を染め出して2年半がすぎた.はじめて研究室の仲間入りをして立派な指導者に恵まれて,リンパ球を処理しはじめたのが56年初冬であった.夜明け頃,研究室の戸締りをして外へ出る.寒さでガタガタふるえながら,オンボロ車のエンジンがなかなかかからずヤレヤレと思ったことが再三ある.夜更けて暗室で顕微鏡をのぞいていると,眼精疲労とオ化ケへの恐怖で涙が出そうになったこともある.
幸いに,特殊な専門領域ながらも,臨床例には恵まれているので,私達の検査予定表はいつも予約で埋められてしまう.泣きたい位に仕事が好き--ではないが,こうなってくると患者の管理,検査,検体の処理,データの整理と考察,次の目標の設定と,全てが課題曲となって自他双方から課せられてくる.
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