講座 Oncology・1【新連載】
癌化学療法の原則
北原 光夫
1,2
Mitsuo Kitahara
1,2
1済生会中央病院・内科
2慶応義塾大学医学部・内科
pp.157-162
発行日 1984年1月10日
Published Date 1984/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218873
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連載にあたって 今回より腫瘍学(oncology)の概略を連載することになった.oncologyは内科のsubspecialityとして比較的若い専門分野であり,患者の扱い,病気そのものの扱いなど,困難な問題をかかえる専門分野である.このようなわけで,oncologyを専門とする医師は一般内科の十分な知識が必要とされることは当然であるが,さらに,血液学,内分泌学・代謝学,胃腸・肝臓学,感染症学に深い知識をもつ必要がある.また,外科的手術,放射線治療学・診断学にも熟知していることを要求される.そしてやはり,一人の人間として友人として,患者とともに歩んでゆく人間性を強く求められる.
日本におけるoncologyの専門治療は限られた施設でしか行われておらず,oncologyにはある種の先入観をもち,治療が十分に行われない面もある.このoncologyのシリーズは,上記の点をふまえて,患者に最善の治療をしていただくことを念頭に執筆するものである.
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