講座 小児診療のコツ・7
腹痛—腹痛の見分け方,アプローチの方法と治療の原則
小池 麒一郎
1
Kiichiro Koike
1
1小池小児科医院
pp.165-169
発行日 1984年1月10日
Published Date 1984/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218875
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小児の腹痛は頻度が高い.しかし,腹痛を明確に訴えるには患児があまりにも幼なかったり,また「ポンポン痛い」と訴えても,発熱,頭痛,手足の痛み,不満からの逃避,関心を引く意図など,すべてこの言葉で代弁することも少なくない.さらに,幼い小児では診察を怖がって泣き出し,腹壁を固くして抵抗することがしばしばで,触診も難かしい.また,年長児では心因性の腹痛を反復して訴えることが多く,屈折した心理の洞察も必要となる.もちろん,緊急性の高い急性腹症も少なくない.このように小児の腹痛は多彩であり,対応には慎重を要する.
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