臨床講座=癌化学療法
癌化学療法の原則
小川 一誠
1,2
,
室崎 志朗
1,2
Makoto OGAWA
1,2
,
Shiro MUROZAKI
1,2
1癌研究会附属病院・化学療法科
2癌化学療法センター臨床部
pp.946-949
発行日 1980年6月10日
Published Date 1980/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216567
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はじめに
癌化学療法とは抗癌剤を用いて体内の癌細胞を全滅して癌を治癒することを目的とする.そして対象とする症例により2つの分野に大別される.1つは局所療法である手術・放射線治療を受けた後で,体内に残存している顕微鏡的レベルの癌細胞を根絶して治癒させることを目的とするadjuvant chemotherapyであり,他は全身性疾患である白血病および進行した悪性腫瘍に対する化学療法である.
いずれにしても抗癌剤を用いるが,現在の薬剤は癌細胞のみを選択的に破壊するのではなく,同時に正常細胞・組織も同程度またはより以上に損傷する.よって化学療法に副作用は不可避であり,それに対する知識を有し,十分なる対策を立てた上で治療計画を実行すべきである.
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