癌医療最前線 国立がんセンターにおける癌医療・7
癌化学療法の展望
pp.724-727
発行日 1983年7月1日
Published Date 1983/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919878
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抗癌剤授与の適応の拡大
今世紀半ば幕開けした抗癌剤による癌の化学療法は有効な新抗癌剤の開発により著しい治療成績の向上がみられている.国立がんセンターでもフトラフール経口剤および坐薬,サイクロサイチジン,油性ブレオマイシン,HCFU等が開発されてきた.これにつれて,表のように化学療法だけで治癒が期待できる癌も出現し,従来のように,化学療法が姑息的な延命手段としてではなく,治癒を目的として行われるようになり,適応はますます拡大してきている.
以前には悲劇のテーマにも選ばれたような小児急性白血病では,治癒と考えてもよい長期生存例が全国で400名を越え,結婚・出産などをして健康な生活を送っている人も少なくない.
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