臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
IV.循環器疾患
手術後の症例の管理
81.弁置換術後例の管理
西村 卓三
1
,
柳沼 淑夫
2
Takuzo Nishimura
1
,
Yoshio Yaginuma
2
1自治医科大学・循環器内科
2自治医科大学
pp.2258-2259
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218622
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わが国の人工弁置換例の遠隔成績をみると,おおよそ5年生存率は僧帽弁70〜90%,大動脈弁60〜80%とされている.また生体弁は人工弁よりも高い生存率を示している.遠隔死亡の原因としては脳塞栓,抗凝固療法による出血,細菌性心内膜炎,再弁置換後の低心拍出量症候群などがある.したがって心臓弁膜症の手術後の管理では合併症の早期発見とその治療が重要であるが,さらに原疾患に基因する病態すなわち心筋障害,不整脈,肺高血圧症,機能的三尖弁閉鎖不全などの管理が重視される.特殊な状況として,抗凝固療法と妊娠・分娩,外科的処置時の管理が問題となる.ここでは,原疾患に基づく病態の管理については他稿に譲り,それ以外の上記項目について述べる.
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