臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
III.呼吸器疾患
再燃再発を防ぐための維持療法と社会復帰
61.慢性閉塞性肺疾患の生活指導としての理学療法
福島 保喜
1
Yasunobu Fukushima
1
1東邦大学医学部・第2内科
pp.2208-2209
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218602
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慢性閉塞性肺疾患は気道の閉塞現象を呈して換気障害を示すもので,気管支喘息にみられる発作性の消長を除くと,他の肺気腫症,慢性気管支炎,びまん性汎細気管支炎は気道抵抗が持続的に高値をとって,急性増悪をくり返しながら徐々に低肺機能へ向って進んでゆくものである.こうした生涯の病を診療してゆくには患者の生活指導がきわめて重要な位置を占めるが,この内容にはさらに健常者と違った生活への取り組みが必要となる.それを組織的に合目的に実践しようとするためには患者の合理的な知識の育成と同時に,その現実的体験である理学療法を忍耐強く実行してゆかせなければならない.
対象患者群は40歳以後の高年者に集団中心をもつもので,多臓器障害を特徴とする人々を一般とする.したがって理学療法の計画起案に当っては慢性閉塞性肺疾患のみならず,それ以外の条件を十分に考慮して,患者に日常生活を満足させながら利用し続けていけるものでなければ意味がない.
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