境界領域 転科のタイミング
無症状胆石
中山 和道
1
,
友田 信之
1
Toshimichi Nakayama
1
,
Nobuyuki Tomoda
1
1久留米大学医学部・第2外科
pp.834-837
発行日 1983年5月10日
Published Date 1983/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218283
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胆石症は日常の診療においてしばしば遭遇する疾患である.本症の手術適応については古くから論議されてきたが,胆嚢穿孔,壊疽性胆嚢炎,胆石による閉塞性黄疸,胆嚢蓄膿症などの合併症を有する胆石症に関しては,絶対的手術適応であることに異論はない.しかしながら,症状のない胆石症,いわゆるsilent stoneの手術適応については論争の多いところであり,現在でも一定の見解はみられていない.
最近における画像診断法の進歩,とりわけ超音波断層像の著しい普及により,人間ドックや集団検診,あるいは他疾患にて入院した患者の検査時に,スクリーニング検査として頻用されるようになり,無症状胆石が発見される機会も多くなってきた.無症状胆石の取り扱いについては,"手術療法か経過観察か",あるいは"経口胆石溶解療法か",日常の診療においてしばしば選択をせまられる問題の一つである.
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