Japanese
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特集 老人外科—老年者胆道系疾患の外科
老年者無症状胆石症
Silent gallstone in the aged
大藤 正雄
1
Masao OHTO
1
1千葉大学医学部第1内科
pp.599-606
発行日 1974年5月20日
Published Date 1974/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206031
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はじめに
腹痛,発熱,黄疸などの臨床症状を持つ胆石症が手術適応とされることは,内科外科を問わず,ほぼ一致した見解である.しかしながら,ほとんど症状のみられない症例,とくに過去および現在ともに胆石症の臨床症状を経験していない無症状胆石症については将来の発症や胆嚢癌の合併を考慮して,予防的に手術すべきであるとの意見が主として外科側から主張されており,胆石症としての発症によつて手術適応とすべきであるとの意見が内科側では受け入れられている.この問題について,なおはつきりと一致した見解は得られていない.
一方,外来,人間ドックあるいは剖検などにより胆石保有者を観察する機会が最近著しく増大しており,しかも無症状胆石症の少なくないことが認識されてきている.
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