今月の主題 膵疾患診療のトピックス
生化学的診断法
パンクレオザイミン・セクレチン試験(PST)—診断基準と過分泌
神津 忠彦
1
Tadahiko Kozu
1
1東京女子医科大学・消化器内科
pp.556-557
発行日 1983年4月10日
Published Date 1983/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218214
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日本消化器病学会において慢性膵炎の臨床診断基準案が新たに改訂され,近く提示される(表1).それとともにパンクレオザイミン・セクレチン試験(PST)の判定基準も改訂された.
膵に関する臨床的な外分泌機能検査としては,現在のところPSTがもっとも信頼性が高い.しかし原理は同じでもPSTの具体的な検査法にはいろいろある.そして判定基準もきちんと統一されていたわけではない.このたびの改訂では検査法そのものには触れず,まず各方式の中で判定に用いる因子の優先順位を明示し,正常群(対照群)の平均値と標準偏差を用いた基準値の作り方を,原則的にとり決めたところに意義がある.昭和57年3月日本消化器病学会総会の特別シンポジウム「慢性膵炎の診断基準」でその骨子が公開された.その膵外分泌機能に関する判定基準試案について少し触れてみたい.
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