測定法の基礎理論 なぜこうなるの?
パンクレオザイミン・セクレチン試験
菊地 三郎
1
1名古屋大学第2内科
pp.458-461
発行日 1978年6月1日
Published Date 1978/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201631
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膵臓疾患は診断技術の進歩した現代でもなお確診の難しい部類に入る.特に慢性膵炎や膵癌の診断はかなりに困難の場合が少なくない.形態学的には内視鏡による逆行性膵管造影法,アイソトープを用いる膵シンチグラフィー,最近では超音波による膵の描出やCTによる膵の撮影など各種の補助診断法が一般化し,それぞれに威力を発揮している.しかし,機能面から膵の異常を捕らえようとする試みは依然として膵外分泌液の分析と血液及び尿中のアミラーゼ測定という古くからの原理に基づく方法が中心となっている.膵内分泌機能の面から膵臓の病態を判断する方法もないではない.例えばブドウ糖処理機能による判断は古くから行われているけれども,膵の病変が相当広範囲にならなければ異常を示しがたい.アルギニンを負荷して血中グルカゴンの推移をみる方法も試みられ,かなりの評価を報告する人もあるが種種の難点があって一般化してはいない.
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