今月の主題 膵疾患診療のトピックス
生化学的診断法
PFD—臨床上の位置づけ
衣笠 勝彦
1
,
片岡 慶正
1
Katsuhiko Kinugasa
1
,
Keisho Kataoka
1
1京都府立医科大学・第3内科
pp.558-559
発行日 1983年4月10日
Published Date 1983/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218215
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膵外分泌機能検査としては,現在,わが国ではPS試験が最も信頼できるものとして施行されているが,手技が煩雑で患者に対する負担も大きいので,簡便な膵外分泌機能検査の出現が待たれていた.
PFD(Pancreatic Function Diagnostant)はキモトリプシンで特異的に分解され,PABAを遊離する合成ペプタイドであるN-benzoyl-L-tyrosyl-p-aminobenzoic acid(BT-PABA)を経口投与し,6時間の尿中PABA排出量で判定する検査である.PFDはPS試験の2因子障害以上の膵外分泌機能障害で異常となり,しかもPS試験の3因子のそれぞれと有意に相関しており,膵外分泌機能を正確に反映している.しかし,PFDはPABAの吸収,抱合,排泄に影響を受けるので,吸収不良症,肝硬変症,腎障害などの患者や高齢者では,判定に注意を要する.
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