負荷機能検査・7
パンクレオザイミン・セクレチン試験
竹内 正
1
,
渡辺 伸一郎
1
,
白鳥 敬子
1
1東京女子医科大学・消化器内科
pp.802-808
発行日 1980年7月15日
Published Date 1980/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915518
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
急性膵炎の診断には血中・尿中のアミラーゼの測定が古くから行われており,アミラーゼの測定法の改良や,アミラーゼに関する多くのパラメーターを増やすなど,現在に至ってもその意義は失われていない.しかし慢性膵炎や膵癌の診断に関してはアミラーゼの診断的価値は低く,むしろ近年開発された各種の機能検査法,形態学的検査法がはるかに優れている.
膵液の検査は慢性膵炎や膵癌の診断に期待されるが,その採取法,刺激負荷法に問題があった.膵液採取法としてはエーテル試験が古くから行われていた.エーテルは膵外分泌刺激剤であり,これを十二指腸内に注入することにより膵液が流出するが,注入後多くの場合,上腹部灼熱感,酩酊感などを訴え,時に上腹部に激痛を訴えることがあり,これをエーテル痛と言い,慢性膵炎の際に診断的価値があるとされていた.この方法では十二指腸内容の定量的な採取は行われておらず,液量,膵酵素量の測定から診断的意義を求めることはほとんど行われていない.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.