今月の主題 膵疾患診療のトピックス
形態学的診断法
経皮経肝胆道造影(PTC)—膵病変による総胆管の変化
税所 宏光
1
,
大藤 正雄
1
1千葉大学医学部・第1内科
pp.552-553
発行日 1983年4月10日
Published Date 1983/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218212
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PTC(経皮経肝胆道造影)は,1921年Burckhart & Müllerによる胆のう穿刺法,および1937年Huard & Do-Xuan-Hopによる肝内胆管穿刺法の報告にはじまる.しかし,一般に黄疸や胆道病変の診断法として臨床応用されるようになったのは,X線テレビの応用や細く柔軟なPTC針の考案により,穿刺の確実性と安全性が著しく向上した1960年代以降である.最近,超音波装置の進歩に伴い,超音波映像下胆道穿刺法が開発され,PTCの確実性と安全性が一層向上した.肝内胆管穿刺法が,診断能や安全性の点で一般に,胆のう穿刺法に優れる.胆のう穿刺法は適応に即して選択される.
胆道と膵は解剖,生理学的に密接な関連を保っており,それぞれの病態は互いに影響を及ぼしある.膵疾患は胆管閉塞性病変の原因として重要である.また,胆管造影上,疾患や病態により特徴的な総胆管の変形を生ずる.最近,超音波やX線CT検査が膵疾患の診断に優れた成績を挙げているが,なお胆道造影の役立つことが少なくない.
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