臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
診断篇
II.消化器系疾患の診断技術
7.経皮経肝胆道造影法
大藤 正雄
1
,
土屋 幸浩
1
1千葉大第1内科
pp.1666-1670
発行日 1976年12月5日
Published Date 1976/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206864
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黄疸などの肝障害や胆道病変のために普通造影法によるX線診断が不可能の場合に,胆道を明瞭に造影し,病変を診断することを目的として経皮経肝胆道造影(PTC)が行われる.この方法は細く長い針を使用して体表から直接に肝内胆管あるいは胆のうを穿刺し,造影剤を注入して造影するものである.腹腔鏡観察下に穿刺するなど特殊の場合をのぞき,穿刺針が体壁から肝実質を貫いて胆管あるいは胆のうに刺入されるので経皮経肝胆道造影とよばれる.
本法には1921年,Bruckhardt,Mullerが行った胆のうを穿刺する方式(胆のう穿刺法)と,1937年Huard,Do-Xuan-Hopが行った肝内胆管を穿刺する方式(胆管穿刺法)とがあり,両者とも幾多の工夫・改善を経て今日に至っている.胆管穿刺法は胆のう穿刺法と比較して,造影効果が胆のう萎縮,胆のう管閉塞,胆のう摘出など胆のう病変によって左右されず,肝内胆管など上位胆管も含め病変の診断が可能である.さらに胆管穿刺法は胆汁漏出,出血などの合併症も少ないことから,現在では広く胆道外科の分野で応用されている方式であるが,最近ではX線テレビの応用によりいっそう確実で安全な手技が可能となり,予め手術準備の必要もなく内科的にも実施されるようになった.
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