臨時増刊特集 目でみるトレーニング―新作問題248題とその解説
問題
組織像(37〜52)
坂口 弘
1
,
木下 真男
2
,
門奈 丈之
3
,
奥平 雅彦
4
Hiroshi Sakaguchi
1
,
Masao Kinoshita
2
,
Takeyuki Monna
3
,
Masahiko Okudaira
4
1慶応義塾大学医学部・病理学
2東邦大学医学部大橋病院・第4内科
3大阪市立城北市民病院・内科
4北里大学医学部・病理学
pp.2160-2175
発行日 1982年12月5日
Published Date 1982/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218037
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45歳,男性.既往に特記すべきものなし.本年春の勤務先の定期検診ではじめて蛋白尿を指摘されたが,自覚症状をまったく認めなかったために放置していた.秋の検診で再び蛋白尿を指摘され,また下肢の浮腫を認めたため,精査のため当院を受診した.
入院時血圧134/68で,軽度の下腿浮腫以外は理学的に異常所見を認めなかった.検尿では蛋白(+++),定量で3.9g/day,糖(-),沈渣;赤血球2〜3個/1視野,白血球1〜2個/1視野,円柱(-),脂肪顆粒細胞(+)であった.血液化学では尿素窒素 10.3mg/dl,クレアチニン 0.9mg/dl,血清総蛋白 5.6g/dl,A/G 1.09,総コレステロール 320mg/dl,空腹時血糖 74mg/dl,C3 75mg/dl,ASO 12単位,抗核抗体(-),HBs抗原(-),腎機能ではGFR 98ml/min,PSP 15分30%であった.組織診断のため腎生検を行った.
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